新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の最後のトンネルを通過しているのだろうか。
オミクロンの影響で新型コロナ感染者数は連日、最多記録を更新しているが、少なくともK-POPだけはポスト・コロナに向かって進んでいる。
11~12日、ソウル奨忠(チャンチュン)体育館で開かれたガールズグループ「今月の少女(LOONA)」のコンサート「2022今月の少女コンサート-LOONAVERSE:FROM(ルナバース:フロム)」は今年初めて開かれたオン・オフラインコンサートとして注目を集めた。
昨年12月、TWICE(トゥワイス)とNCT127がそれぞれソウルオリンピック体操競技場とソウル高尺(コチョク)スカイドームで対面コンサートを開いて以来、3番目だ。特にオミクロンで感染者が1万人以上に増えた状況だけにさらに注目を集めた。結果は成功。10分で全席完売した。奨忠体育館は4200席規模で、大型コンサート会場ではないものの、特に事故や悪評なく終了したという点に歌謡界では安堵する雰囲気だ。
これまで、K-POPコンサートはコロナ下で約2年近くオフラインステージに出られず、オンラインコンサートを続けてきた。
時空間の制約を受けない特性のおかげで、国内だけでなく海外ファンの公演の需要を受け止めてきた。しかし、高い感染力にも重症化率は低いとされるオミクロンが優勢種になり、これまでオフラインコンサートについて世相を伺ってきたK-POP企画会社は徐々に動き出している。
来月には最も期待を集めている防弾少年団(BTS)がコンサートを行う。BTSは来月10、12、13日の3回にわたりソウル蚕室(チャムシル)総合運動場でコンサート(BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE - SEOUL)をオン・オフラインで開催する。BTSが韓国で対面コンサートを行うのは2019年10月以来、2年4カ月ぶりだ。コンサート規模は1公演当たり1万5000人で、3日間で4万5000人のARMY(BTSのファンダム)がコンサートに参加することになる。これは新型コロナ事態以降、最大の規模だ。
しばらく足止めされていた海外公演は一歩先に軌道に乗った状態だ。
昨年11~12月、BTSは米国ロサンゼルスSoFi(ソーファイ)スタジアムで5回公演(1公演当たり5万3000席)を開催し、全席完売を記録して話題になった。BTSの雰囲気を引き継いだのはTWICE。今月15日から米国ツアー中のTWICEは完売が続き、追加公演を決定した。TWICEは4月23~24日、第2のホームグラウンドとされる日本・東京ドームでの2回公演も予定されている。
その他、NCTも日本公演を予定している状態で、他のK-POPグループも海外オフライン公演を打診中だという。
ある企画会社の関係者は「韓国ではオミクロンで新型コロナの感染が来月ピークを迎えるというが、米国・日本・欧州などはピークアウトしたうえ、一部の国家はマスクまで着用しない『ウィズ・コロナ』に切り替える傾向」とし、「オフライン公演も『リベンジ消費』心理があるため、大規模なコンサートを計画している」と述べた。
これに伴い、当分の間、企画会社の売上も大幅に上がるものと見られる。
HYBE(ハイブ)は22日、公示を通じて昨年の売上が1兆2577億ウォン(約1213億円)で、前年比58.0%増えたと発表した。このうち、公演売上は497億ウォンで、2020年より980.5%増えた。新型コロナで出られなかった2020年とは異なり、昨年末から対面公演が再開されたためだ。HYBEは「昨年、LAコンサートのオフラインコンサートだけで400億ウォンを売上げた」と述べた。
しかし、企画会社は今後もオン・オフコンサートを並行する可能性が高いというのが関係者のコメントだ。
新型コロナでやむを得ず行ったオンラインコンサートが意外にもかなりの収益源として浮上したためだ。SMエンターテインメントが2020年4月にK-POPで初めて開催した「Beyond LIVE(ビヨンド・ライブ)」オンライン有料コンサートは初回公演だけで7万5000人の視聴者を集め、25億ウォンの収益を上げた。BTSが2020年10月に開催したオンラインコンサート「MAP OF THE SOUL ON:E(マップ・オブ・ザ・ソウル・ワン)」は99万人が視聴した。最小観覧料金の1人当たり4万9500ウォンで計算しても売上は491億ウォンだ。これにより、各証券会社も主要4大企画会社SM・JYP・YG・HYBEの営業利益が前年比40~80%近く上昇すると見ている。
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